• 2014.12.19
  • 住まいと暮らし

田舎暮らしの応援団「いざない湖北定住センター」


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センターが情報をもつのは長浜市郊外と米原市の賃貸・売り空き家。口コミで紹介された空き家の情報を登録、管理。現在25件の物件がある。築年数や建物の状態はばらばらだが、両市の農村部の伝統的な住居形式である客間・仏間・居間・寝間の和室4室が備わる「田の字型」の空き家が多い。
センターがもつ情報を知るには、まず会員登録(年間1000円)が必要。情報の閲覧、物件の案内をしてもらえるほか、新しい空き家情報やイベントの案内が不定期で、郵送などで送られてくる。
スタッフの川村千恵さんは長浜市郊外での暮らしについて「田園、山、川、湖がある自然の豊かさが何よりの魅力でしょう。静かに暮らせるけど、車で少し出れば、大型のショッピングセンターやコンビニがあって現代社会の便利さも十分享受できる。長浜市は病院や保育所など医療や育児の機関も充実しているのが特徴」と教えてくれる。

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郊外型の住居の場合、家の前は庭、さらに家庭菜園用の畑がもれなくついているということもよくある。土いじりが好きな人にはたまらない環境が備わっているといえる。一方で、郊外地域に住まうときに最も考慮すべきことは、コミュニティでの人づきあいだといってほぼ間違いはない。
自分たちの地域は自分たちで守るという昔ながらの互助意識は、今も多くの集落で根付いていて、集落内の川そうじ、神社仏閣の行事、冠婚葬祭に自警団の活動というように、住民参加型の行事が年間を通じてある。
「こういった側面を理解していただいた上でコミュニティを担うという気持ちで、田舎暮らしを考えていただくのがベターですね」と川村さん。
ここでもセンターの出番がある。紹介物件を借りる方向に話が進んだ場合、センターが居住地の自治会のつなぎ役となり、自治会長等への紹介を買って出てくれる。
これまでに県外を中心に10組以上が紹介物件への居住を決め、田舎暮らしを楽しんでいるという。

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「移り住むなら滋賀県・湖北」をキャッチフレーズに、長浜市のある湖北地域への移住・交流・居住を応援するセンターでは、空き家の案内のほかに、京阪神や名古屋などへ出張して説明会を開いたり、味噌作りや茶摘み等、農村部ならではのイベントも開催している。
また移住を考える人に向けて、古民家を改修した「寺吉」と「さきち」という田舎暮らしをリアルに体感してもらえる体験宿泊型住宅があり、センターが窓口となっている。

川村さんもまた、結婚を機に関東から長浜に移住した一人。長浜の自然と歴史にどっぷりはまり、市内の山を歩き城跡を巡る歴女でもある。センターを訪ねれば思わぬ歴史談議がついてくるかもしれない。

【いざない湖北定住センター】
滋賀県立大学の教授ら有志らで結成した「湖北移住交流支援研究会」を母体に、2010年に設立した民間団体。市の委託で市内全域の空き家実態調査なども実施している。
問い合わせ先:滋賀県長浜市朝日町8-23
TEL.:0749-50-1019  土日祝日休
ブログ:http://cohokstyle.shiga-saku.net/

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nagahamalabo