• 2014.12.19 長浜の人
  • 住まいと暮らし

城下町の情緒ただよう町家に暮らしたい「長浜町家再生バンク」


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長浜中心市街地と名付けられたエリアは、長浜駅から東、かつて長浜城の城下町として栄えた一帯。このエリアには滋賀県隋一の観光地・黒壁スクエアや商店街があり、平日も多く観光客でにぎわう一方、住宅ゾーンは一転して静かで落ち着いたただずまいを見せる。
「全国でも珍しい中世に築かれた城下町の、名残りが色濃くただよう地域ではないでしょうか」と話すのは長浜町家再生バンクの竹村光雄さん。

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長浜町家再生バンクでは、使われなくなった町家が風化・劣化しないように「風通し」と銘打った維持管理をしながら、活用の条件が整った建物については新たな住まい手への「橋渡し」を行っている。現時点ではおよそ7軒の町家の情報を預かっているという。その多くは、間口が狭く、うなぎの寝床のような形態。格子戸や蔵が残っていたり家の真ん中に坪庭があったり、町家風情にあふれている。

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さて町家再生バンクの本領発揮はこれからである。
物件のほとんどは、現代の生活スタイルにあわせて改修や改装の検討が必要になってくる。「改修費用は家主、借主どちらが負担するのか」というような当然浮上してくる、金銭負担の調整をはじめ、住まいに対する具体的なイメージを聞き取りながら、改修プランの提案もしてくれるのだ。
今回の特集で紹介したシェアハウス絹市も、町家再生バンクが管理する物件のひとつ。もともと商家ゆえ、家族単位での居住にも広すぎることから、家主と相談しシェアハウスとしての活用に行き着いた。

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個人的な話になるが、以前は東京で建築関係の仕事についていた竹村さんは、長浜のまちなかの風情に惹かれて、移り住んできた。建物の改修や改装の専門家として、この地で暮らすことを決めた先輩として、住まいと住まい方をアドバイスしてくれる。「どんな暮らしがしたいか、思い描くイメージを伝えてもらえたら」。心強い存在だ。

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【長浜町家再生バンク】長浜中心市街地活性化事業を手がける第三セクターとして平成21年に設立された「長浜まちづくり㈱」が運営する。町家を「住宅」として再生することを主題に、使っていない建物を管理してほしい、貸したい、借りたい、買いたいなど、空き町家の所有者および入居希望者双方の相談に応じる。

問い合わせ先
住所:滋賀県長浜市元浜町8番24号(安藤家事務所)
TEL.:0749-65-3935
空き家情報サイト(http://kazetoshi.org/)

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nagahamalabo