• 2023.3.17
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木地師が生み出す なつかしく素朴な飾り独楽


木地師の片山喜一さんが手がける「いろ色浜独楽(ルビ:はまごま)」は、滋賀県の伝統的工芸品です。

大小さまざまなサイズのいろ色浜独楽

 

木地師とは、ろくろで材料(木地)を回転させ、ノミに似たカンナで削り出す手法を用い製品を生み出す職人のこと。

実は木地師の発祥は、滋賀県の東近江市とされ、各地へ散った職人が伝播し、その土地ならではのお椀や茶筒、おぼんなどが作られてきました。

ろくろを操り独楽の型を整えていく片山さん

 

 

いろ色浜独楽は「木地製品をもっと身近に感じてもらえるような長浜の名産を生みたい」との片山さんの思いがきっかけ。

妻のしげ子さんが絵付けを担っての二人三脚の作業で、35年以上にわたって制作。独楽の形も色合いも一つとして同じものはないのが、手作りならではです。

片山さん夫妻。息を合わせて独楽を作り続けてきた

 

木地に用いるのは、滋賀の霊峰・伊吹山山麓で伐採したサクラやケヤキ、カシなど。種類や部位によって、扱い方が異なります。

ろくろに向かい、成形していく片山さんの背中は、木地と会話をしているかのよう。丁寧で実直な片山さんの人柄が映し出されたかのような、やさしい風合いにホッとします。

 

色付け前

 

 

片山木工所 
長浜市三ツ矢町7−7
0749-62-9804

矢島絢子
この記事を書いた人
矢島絢子
学生時代+数年を県外で過ごしUターン。冬の寒さをどうやって乗り切るかが毎年の課題。自転車に乗って肌寒さを感じなくなったときが湖北の本当の春到来だと信じています。そんな自転車の速度で感じるような、長浜の空気を伝えて行きます。