• 2018.10.4
  • 市民カメライター養成講座
  • 市民ライター養成講座(2018)

繕いながら紡いでいく、可愛い暮らし


used★clothing tetra店主 池田友紀子さん

 

「こんにちはー!いらっしゃ~い」

カラカラカラとガラスのスライドドアを開け、こぼれるような笑顔で出迎えてくれたのは、used★clothing tetra (以下:テトラ)の店主・池田友紀子(いけだ ゆきこ)さん。

テトラは、長浜駅から徒歩15分ほど、長浜八幡宮がある宮前町通りにあり、主にアメリカやヨーロッパから輸入されたレディース・メンズの衣類や雑貨のユーズド商品を取扱う古着屋さん。

今年でオープンから12年目。結婚を機に今の住居兼店舗に移転されたのは3年前になります。女性店主であり、母でもある友紀子さんに、女性のしごとと暮らしについてお話を伺いました。

 

アメリカへの買つけにあこがれて

販売員になりたいと名古屋の服飾の専門学校に通うなかで、もっと実践的に学びたいと考えるようになり、学校を中退。その後、長浜へ戻り、子供服屋で4年間販売員を経験。学生当時から地元で古着屋するという夢があった友紀子さんは、本場の古着のマーケットを見るために、22歳の頃にアメリカ旅行へ。憧れの現場に日本人バイヤーがたくさんいるのを目の当たりにして、その夢に勢いが増します。

アメリカ旅行での体験を経て、開業資金を貯めること3年。25歳のときに、テナントビルの1角の店舗を借り、テトラを開店しました。

 

ものを大切にすることは、自然を大切にすること

店舗名のテトラの由来は?と訪ねると、最初は響きで決めたという友紀子さんですが、続けてテトラには「4つの」という意味があり、近江商人の三方よし「売り手よし・買い手よし・世間よし」の言葉にもうひとつ「環境にもよし」があるといいなという思いも込められているそうです。

傷んでもそのほころびを繕うことでまた愛着が湧く。もともと洋服は高価で貴重なもの。丁寧にリユースすることでまた誰かに受け入れられる、エコな循環も含めて古着が好きと語る友紀子さん。環境にやさしい暮らしを好み、「ロハスタイル」という琵琶湖のゴミ拾い活動も開店当初からずっと取り組まれています。

 

店舗の移転リニューアル・住まいとお店がいっしょな暮らし

現在の店舗に移転リニューアルしてから3年ほど。移転後は店舗兼住居というスタイルで営業されています。このタイミングで結婚、出産を経験され、移転を機に暮らしにも変化があったそう。

「わたしの中で、結婚・出産はほんとうに大きな出来事で。独身の20代の頃とは違い、家事や育児・・・なかなか自分ひとりで動くことができなくなりました。でも、家族との時間も大切にしたいので、旦那さんと話し合いながら、お互いの『まんなか』を探りながら、無理せずやっています。ちょっとした仕事の合間にお店をひょいっと抜けて家事ができるのは、お店と自宅が繋がっている魅力です。今は、お店を営業しているときが『自分の時間』ですね」

100%自分だけのために使っていた時間から、家族ができたことで生活基準が変わった友紀子さんですが、「生活としごと」、「家族とじぶん」、ちょうどいいバランスを探し、楽しみながら日々を紡がれていました。

「5年先、10年先・・・今のようにお店が続けられていたら、それに越したことはないですね」

 

可愛く歳を重ねる、大人のためのカジュアル古着を

古着という、1点ものに出会う「縁」も含めて、アレンジしたり工夫したりして、自分らしく着こなす楽しみやものを大切にすることを伝えていきたい。30代になり、いろんな経験をされた友紀子さんならではの「大人のための古着の素敵な着こなし方」を提案してもらいたくなりました。

大量生産やコスパで合理的な洋服が増え、さらにSNSで情報が得やすくなったことで、おしゃれの平均値はどんどん上がっているけれど、選りすぐりの1着を見つける楽しさや嬉しさは、お店に出向くからこそ。テトラは、そんな唯一無二のときめく1着と出会える場所だと思うのです。

 


used★clothing tetra
住所:長浜市宮前町10-5
http://tetra-furugi.jp
営業時間:平日11:00~17:00/週末11:00~19:00
※営業日はHPのカレンダーでご確認ください。
Instagram : @tetra_yukko

 

三上由貴
この記事を書いた人
三上由貴
「湖北の暮らし案内所どんどん」のスタッフ。長浜のひとともっと関わりをもちたいと思い、市民カメライター講座や長浜ローカルフォトに参加。もっと上手に記事を書いたり、写真を撮ったりしていきたいです。おしゃべり好き。