• 2018.10.4
  • 市民カメライター養成講座
  • 市民ライター養成講座(2018)

それぞれの思いを繋いでいきたい


フリーデザイナー・どっぽ村企画運営 小障子菜々子さん

 

「周りのみんなが夢をみている。そんな仲間の思いを外へ繋いでいきたい」
そう語るのは、長浜市湖北町上山田にある「どっぽ村」にお住いの小障子(こしょうじ)菜々子さん。

上山田で生まれ育った後、東京ではグラフィックデザインに携わっていた。東京のマーケットは広く影響力も大きいが、手がけたものが自分の手の届かない存在に感じたり、シーズンものの作品には「すぐ捨てられていくんだな」という虚無感を覚えていたという。
地元活性へも思いがあり、ならばとデザインの可能性を地域に見い出しUターン。
現在、「働き学ぶ山里暮らし」をコンセプトとするどっぽ村の企画運営&フリーデザイナーとして活動中である。

どっぽ村とは?ーーー「自分の暮らしは、自分でつくろう」

「湖北」と呼ばれる滋賀県北部は豊かな自然に恵まれた地域。
なかでもどっぽ村のある上山田は、高時川の支川の水源地があり、その周囲には大人も子供も楽しめる人の手が加わった美林が広がる。何度足を運んでも、この落ち着く景色にいつも伸びをし、深呼吸してしまう。

どっぽ村は、自分の暮らしを自分の手でつくる人々が集い、働き、学び、暮らす場。セルフビルドの家に住み、安心して口にするのは自分達で育てたお米や野菜。
芸術イベントが定期開催され、多様な人々との出会いや交流の場でもある。
「買う」暮らしから「つくる」暮らしへ。自由で豊かな生活が、ここにはある。

「どっぽ村に定住を決めたきっかけは気の合う仲間が周りにいたこと。農家、大工、最近は自家焙煎珈琲と地元の食材を使ったお料理の食堂を営む仲間が増えて、村内での仕事が多様化してきた。私の役割は、それぞれみんながやりたい・やっている活動を外に出していく、世に繋げていくことだと思っている」と菜々子さん。
これからますます楽しみである。

どっぽ村に暮らす、うぐら食堂の深尾さん(左)、市内の有機農業グループの運営などに関わる伊藤さん(右)

 

地元経営者と0(ゼロ)からつくりあげる、面白さと喜び

地元へ帰る大きなきっかけの一つとなったのが、木之本にある冨田酒造の蔵元との再会だったそうだ。
冨田酒造は450余年の歴史を持つ老舗酒蔵。その15代目泰伸さんと、地元であったイベントで再会を喜び、星空を見上げながら現在や未来について語り合っていたなんて運命的。
デザイナーとして、冨田酒造と関わることになり、生まれたのがお酒のラベル達。
2018年フランスで開かれた日本酒のコンクールで2位に選ばれた「七本鎗純米 渡船」も、彼女が手がけたラベルだ。

冨田泰伸さんと共に

菜々子さんはデザイナーのお仕事の傍ら、食と音楽のイベントに山菜の会、年に1度の収穫祭、詩の会、自然環境との循環を考えた購買ネットワーク「碧いびわ湖」の活動など、これまでの繋がりを大切にしながらも新しい縁を結んでいくような、和やかなイベントを続けている。
どっぽ村に興味のある人はもちろん、ゲストハウス「大戸洞舎(おどふらしゃ)」を使ってみたいなんて人は、菜々子さんとどんどん繋がっていってほしい。
デザイナーとしても、今後は物作りも構想中とのこと。彼女のバイタリティーにはいつも驚かされる。
「とにかくやってみようと思う!」とキラキラした表情でこれからのことを話してくれる様子は、「そうだ、私もとにかく動いてみよう!」といつも勇気をもらえる。

年に一度の収穫祭2018年は10月13日(土)に開催!
「大戸洞舎 秋の収穫祭」

菜々子さんをはじめ、どっぽ村住人たちも一緒になって企画運営。
毎年参加させてもらっているが、美味しい食べ物をほおばりながら、気持ちのいい音楽に目を細め、気を許せる仲間と会える贅沢な時間がある。
ぜひお越しください!


どっぽ村最新情報はコチラ
https://www.facebook.com/doppomuranews/

 

居川美保
この記事を書いた人
居川美保
3人の子育てとナースをしながら、コント?ドラマ?のような毎日を過ごしています。写真やギター、ピアノに読書、自然を味わう。やりたいことが沢山ありすぎて、コピーロボットか時間が真剣に欲しい今日この頃です。