桜が咲き始める頃、農家さん宅では慌ただしい日々が始まります・・・
ボクの実家は兼業農家で、子供の頃この時期からお米づくりの一員でした。
人手が必要な〝種おとし〟〝田植え〟〝稲刈り〟〝臼擦り〟
GWはどこに出かけることもなく田植え三昧だった記憶しかなかったですが、今は大人になりお米づくりの奥ゆかしさを感じる歳になりました。
土に触れ、田んぼに生息する生き物たちとともに湖北地域の春の風景を作っていく【田植え】を今回はお届け致します。
【服装】 日よけ用帽子、汚れてもよい格好、田植長靴、ビニル手袋
【道具】 鍬、柄振、苗籠、目印棒、熊手
適した服装に着替え、道具を積んで準備にかかります。
今日植える枚数だけ肥料をやり、風などで飛ばないよう水をさっとあげて田んぼに運びます。
田植え時期には、こんなに根がぎっしり。
水中でもしっかり根を伸ばしてくれそうです・・・
苗がしっかり根を張るよう水の深さを調整したり、、
水田に浮かぶゴミを拾ったりして、
田植機に苗をセットして、いよいよスタートです。
今回の田植機は、5条植えタイプ。
5列ってことです。大農家さんの田植え機だともっと条数が多いものもあります
時々、苗の具合を確認したり有機肥料の量など見ながら田植機の調整をしたりして植えていきます。
雨の日は、肥料が濡れてしまい出が悪くなったり、苗が水分で重くなって多く落ちてしまったりと失敗することが多いので晴れや曇りの日が最適です。
今日は、どうやら雲行きが怪しいので急ぎ、植えていかねば、、、っとブツブツ言っておられました。
最初のスタートは、目印棒(写真右寄りの黄色い棒)を目安にまっすぐ植えていきます。スタートが肝心です。
田植え体験にきた『編集長』。
熱心に田植のお勉強。 質問攻めです・・・
気をよくしてか、、、
農家さん:『乗ってみるか?』
編集長 :『いいんですか!? 乗ってみたいです!!!』
運転のレクチャーをうけて、、、
田植機を運転することに!!!
なかなか様になっていました・・・ なにより嬉しそうでした。
運転してみると真っすぐ植える難しさを痛感します。
簡単そうに見えて意外に難しい左官屋さんの土壁塗りと同じです。
平坦そうに見えて田んぼの中は凸凹してたり、大きな石があったりですぐにハンドルをとられてしまいます。
その為、すぐに真っすぐに戻そうとしますがそうなるとがたついてしまい、振り返るとグネグネ。
修正する時のコツは、じわっとゆっくりもどしていくこと。
そんなコツを田植機上でレクチャーを受け、選手交代。
田植機の運転だけじゃない、田植え仕事・・・
次は、、、
旋回痕の荒れたところを苗を植えやすいよう平坦に柄振をつかって均します。
グラウンド整備と同じ要領で、簡単♪っと思いきや足をとられる田んぼでは、なかなかの重労働。
3条分だけ隙間をあけて、手植えにもチャレンジしました。
田植機で植えた苗に沿って植えていきます。これもなかなか足腰をやられます。
体験してみると真っすぐに植えていくことと、水中に根をつける加減がなかなかの難しさ。
ひと仕事終わったところで、畦道でお菓子とお茶でひと休憩。
いっぷくの時間に田んぼ周辺を散歩してると、、、
アマガエルを発見。
写真にはないですが、他にもトノサマガエルにアメンボ、タニシなど生き物がいっぱい。
畦にはモグラの穴と、ノビルがありました。
田植え完了。
自分が植えた場所についつい目がいってしまいます。
最後に苗箱を川で洗い、田植え作業の終了です。
心地よい疲労感がありますが、一汗かいたあとの一杯が最高でしたー!!!
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【お米づくり】と言えば、〝田植え〟と〝稲刈り〟を連想しますが他にもたくさんの手仕事を経て、おいしいご飯になり食卓にならびます。
田植えまでの行程をざっとご紹介。
【田んぼの準備】
① 荒起こし:稲刈り後の田んぼをトラクター(ロータリー設置)でならす。
② 畦塗り: トラクター(畦塗り機設置)や手作業で畦を塗る
③ 水入れ : 水路から田んぼに入水する。
以下、写真を撮るタイミングが合わず、、、天候に左右される田んぼ作業。
毎日、天気予報とにらめっとしながら明日が雨だとわかると急遽予定の変更! 写真を撮るタイミングも難しいです・・・
④ 荒ごなし : 入水してからトラクター(ロータリー設置)で15cmほどならします。
⑤ 代掻き : 田植えの2〜3日前にトラクター(ドライブハロー設置)で7cmほど均一にならしていきます。
【育苗作業】
① 種籾浸種 : 種籾を水に浸し十分吸水し、温かい水で芽だしをします。
② 種落とし : 育苗培土をつくり苗箱に敷き詰め、①の発芽した種を播き、その後また土をかぶせます。
③ 育苗管理 : 種落とし後、十分に水をやり保温シートを被せます。芽が出てきたら保温シートを剥がし、ビニルハウスで室温と水の管理をしながら毎日生育具合をこまなくチェックします。角材などで苗踏みをしストレスを与えて苗を強くする(あまりやっているところは少ないそうです。)
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執筆 : 佐野元昭