木地師の片山喜一さんが手がける「いろ色浜独楽(ルビ:はまごま)」は、滋賀県の伝統的工芸品です。
木地師とは、ろくろで材料(木地)を回転させ、ノミに似たカンナで削り出す手法を用い製品を生み出す職人のこと。
実は木地師の発祥は、滋賀県の東近江市とされ、各地へ散った職人が伝播し、その土地ならではのお椀や茶筒、おぼんなどが作られてきました。
いろ色浜独楽は「木地製品をもっと身近に感じてもらえるような長浜の名産を生みたい」との片山さんの思いがきっかけ。
妻のしげ子さんが絵付けを担っての二人三脚の作業で、35年以上にわたって制作。独楽の形も色合いも一つとして同じものはないのが、手作りならではです。
木地に用いるのは、滋賀の霊峰・伊吹山山麓で伐採したサクラやケヤキ、カシなど。種類や部位によって、扱い方が異なります。
ろくろに向かい、成形していく片山さんの背中は、木地と会話をしているかのよう。丁寧で実直な片山さんの人柄が映し出されたかのような、やさしい風合いにホッとします。
片山木工所 長浜市三ツ矢町7−7 0749-62-9804