湖北は空が広い。琵琶湖のおかげもさることながら、意外と山並みを眺めるときにそう思うことが多い。
南から東、北へぐるっと、霊仙、横山、伊吹、七尾山、小谷山、己高山、賤ヶ岳、山本山、つづら尾崎、そして竹生島 …
大きさや形に特徴のある山々の連なりは絵画のように美しい。
遠くの高い山は、光の色や雲の掛かる様子がダイナミックに移ろい、
近くの低い山は、芽吹き 新緑 紅葉 落葉と、
木々の様子が手にとるようにはっきりと見えて、
まちに居ながらにして間近な自然を感じることができる。
そういう表情の豊かな山並みが、
朝と夕、一日二回、のっぺりとしたシルエットだけになって、
何枚も重なった屏風のように辺りをつつむ。
冬の朝、南浜から長浜を見た。
遠くからこちらへ
清々しい鈴鹿の山並み
文字通り横たわる横山(またの名を臥龍山)
小さくも存在感のある田村山
水際では市街地と木立が一体のシルエットに
水面に立ち並ぶえり
いちばん手前には濃くはっきりと水鳥
幾重かのシルエットが重なる湖北の朝