• 2015.2.17 長浜の人
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「農」のある豊かな暮らしを届けたい。


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シリーズ農業#01

みたて農園 立見茂さん真実さん

「農業を継ぐつもりはなかった」と茂さん。「3k」「かっこわるい」小さい頃からネガティブなイメージしか抱けなかった農業で、今は自信をもって農業をされています。高校卒業後、住む地域も転々としながら仕事を続けていましたが、しがらみなく自分のペースで出来る仕事をしたいと地元長浜に戻ることに。専業で農業をされていたお父さん自身、子どもたちに継がせる気はなかったという農業に、自分からしたいと頼み込み、茂さんの農業は始まりました。

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それでも、農業への負のイメージが消えたわけではなく、ただ作っているだけだったという茂さんを変えたのは、ある写真家さんとの出会い。それ以来、田植えイベントや農家フェスティバルなど、生産者である農業従事者自らが消費者と繋がれる機会を県内外で積極的に取り組んでいきました。

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そうしたイベントでの人との出会いを通じて徐々にお客さんの顔が見えてくると、農協などへの出荷だけでは知ることの出来なかったお客さんの声が聞こえるように。今まではどこで食べられているかもわからなかった自分のお米が、どんな人に食べてもらえているのか、なんて言ってもらえているのか。「それがたとえ良い評価ばかりではなかったとしても、それならばもっと美味しいものを作れるように頑張ろう」。負い目のあった農業は、いまでは茂さんにとって誇りの持てる生業になっています。

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真実さんが茂さんを知ったのも、茂さんの関わってきた農と人をつなぐイベントだったとか。もともと長浜出身の真実さん。大学卒業後は京都で働いていましたが、家の都合もあって長浜に戻ることに。アートや食に感心の強かった真実さんにとって、地元の農家さんが県外でも積極的に活動をしていると知って嬉しかったといいます。長浜に戻ったばかりで、いろんな繋がりを求めていたこともあり、知り合いを通じて茂さんはじめ、同じ活動を行うメンバーたちともつながっていきます。今は、茂さんの農作業のサポートをする傍ら、マルシェなどのイベントに参加して、お米や大豆の加工品を作って販売されるほか、販売に付随するパッケージ等の紙もののデザインをするなど、茂さんとは違うスタイルで農業の「見せ方」を模索しています。

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「生産するだけの農家ではなく、豊かな暮らしづくりを提案できる農家になりたい」と話してくれた立見夫妻。お米にかぎらず、生産されたそのものの背景を知る、生産者のことを知る、そんな些細な事で感じる味わいは変わってきます。そのものにあるストーリーを知ることで暮らしはとても豊かになります。そうしたストーリーを伝えるための取り組みとして、最近では新米の時期に、炊きたての御飯をみんなで味わう食事会や、農園の大豆を使ったお味噌作りなども行っています。二人三脚のみたて農園のこれからが楽しみです。

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【みたて農園】

住所_滋賀県長浜市高月町馬上1336

HP_http://www.mitate-nouen.jp/

電話_0749-85-2366

執筆:宇留野

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