• 2019.7.12 長浜の人
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近江湖北の旅    匠がつむぐ日本の文化と未来を撮る!~オリンパスOM-Dプレミアム撮影会~


この記事は市内で活動する長浜ローカルフォトが制作しました。

 

撮影会でおもてなし

「写真でまちを元気に!」をテーマに、長浜の人や暮らしにフォーカスを当て、SNSの発信や写真展などの活動を続けている『長浜ローカルフォト』。

長浜が大好きな市内在住の男女11人がメンバーとなり、日常の中にある大切なものや気づかなかった魅力をそれぞれの目線で写真におさめ、地域とひとのつながり・そして地元の誇りを取り戻してもらおうと、日々活動しています。

そんなローカルフォトの活動を支援していただいているのが、カメラメーカーのオリンパス株式会社。6月、同社による写真撮影会が長浜で行われることになり、「撮影会参加の皆さんに長浜を楽しんでもらおう!」とローカルフォトメンバーが案内&PR隊として同行しました。その様子をレポートします!

撮影会の講師は写真家の中藤毅彦先生。

都市のモノクロームスナップ撮影を中心に作品を発表。また講師活動やギャラリー運営もされています。国内外で個展、グループ展等を多数開催。

重厚感ある作品が特徴で、第29回東川賞特別作家賞受賞。第24回林忠彦賞受賞という素晴らしい経歴をお持ちです。作風とは対照的に、朗らかで優しく、素敵な笑顔の先生。あっという間にファンになってしまいました。

中藤先生の黒壁でのレクチャー

 

今回の講座は、市内各スポットで中藤先生のレクチャーを受けつつ8名の参加者各自が撮影する内容です。

 

さあ、まち歩きへでかけよう~黒壁と長浜散策~

今回のコースでは、長浜駅近くの黒壁2號館の「黒壁ガラススタジオ」、そこから車で30分ほど北上した木之本町の「佃平七糸取り工房」、和楽器等の楽器糸を製造する「丸三ハシモト株式会社」の3ケ所を巡ります。

黒壁ガラススタジオ

黒壁ガラススタジオでは、1階の吹きガラス工房にて窯の熱気を感じながら、女性職人さんたちによる臨場感ある製作の様子を。また2階のガラス彫刻の工房では、オーストラリアで修行をされた職人さんがグラインダーとよばれる機械を使い、グラスに繊細な彫刻を施していく様子を撮影しました。

 

ガラスと向き合う職人さんの真剣な眼差しで、工房内の空気はピーンとした緊張感が張り詰めます。そのいっときの瞬間も見逃さないようにとシャッターが切られます。
数々のガラス工芸の美しさの裏側には、たゆまない努力とともに鍛錬された技術がある。この長浜の黒壁一帯がガラスの街として根付いてきたのも、こうした職人さんがいるからこそなんだなぁと改めて思う時間でした。

 

ガラススタジオのある黒壁スクエア界隈は、古い町並みを残しつつ昔からの商店と新しいお店がうまく共存しているエリア。

商店街にある魚屋さんのおじさんや、ふと目にしたお店の看板など、あっ、いいな♪と思った瞬間をカメラで切り取りながらの散策も楽しみました。

 

ふと見上げるとこんな“長浜“も

 

 

大通寺前で集合写真を撮り終えると、御一行様を細い路地裏へ。ディープなまちなかをご案内したり、長浜の銘菓やおススメのお店を紹介したり、カメラを持ちながらアーケードを歩き、観光客気分を味わっていました。

 

生糸から和楽器の弦へ、伝統をたどる旅~木之本へ~

昼食を終えると琵琶湖を眺めながら湖岸道路を北上し、木之本へ。

まずは賤ヶ岳(しずがたけ)の麓、木之本町大音(おおと)にある「佃平七糸取り工房」を訪ねました。

ここは平安時代から養蚕業・製糸業が盛んで、なおかつ賤ヶ岳の清浄な湧水に恵まれていて、その水が糸取りに適していたという地域。この工房は、今や集落に残る唯一の糸取り工房です。

工房の窓は開け放たれていて、中から「コトコトコト」と座繰機(ざぐりき)の動く音が聞こえます。窓の外へ向かうように座る4人は女性ばかり。4代目の佃三恵子さんは窓側に座り、見学に来た我々の質問に答えながら、作業を続けます。一時たりとも手を休めないその手元には、熱湯がぐつぐつと。中に浮く繭から、目に見えない程に細い糸を手早く手繰り寄せていきます。

4代目の佃三恵子さん

 

窓から覗き込んでの姿勢で、作業工程や苦労話などを伺いました

 

 

最後に向かったのは、同じく木之本の「丸三ハシモト株式会社」。先ほどの佃さんの良質な生糸はこちらへと渡り、やがて琴や三味線などの和楽器の弦に加工製造されていきます。

全国でも「絹弦」を作るメーカーはごくわずか。ここ丸三ハシモトでは、最も大きい規模の生産が行われているのです。

この日は、こちらも佃さんと同じく「4代目」である橋本英宗(ひでかず)社長が案内してくださるプレミアムな時間。橋本社長自らによる作業実演を見学しながら弦製造にかける想いを伺いました。

糸に触れる手、目先にある糸を見つめる眼差し、しゃんとした姿勢や所作の一つ一つにも、橋本社長の真剣と情熱が伝わり、その一瞬を収めるようとシャッター音が鳴り響きます。

 

日本の伝統文化である和楽器の弦の原料の生産から製造が、木之本で繋がっていることは地元住民として誇らしいことです。

長い歴史の中で産業が変化していき、存続が難しいとされるものづくりは確実に増えていますが、このような素晴らしい財産が後世へと受け継がれていくことを願いたい、そう思いました。

参照:長浜暮らしノートバックナンバー「伝統音楽のクリエイター

 

撮影会が終わると、みなさん一様に「楽しかった!また来て長浜を歩いてみたいな」と嬉しい感想が続々と。長浜のまちや風景、そして伝統を間近に体験してもらえたことで、いろんな魅力を感じてもらえた1日となりました。これをきっかけに、より長浜に興味をもっていただけたらと思います。

なお、今回の撮影会でみなさんが撮影されたお写真はオリンパスプラザにて展示される予定です。こちらも楽しみです。

木之本交遊館前で

 

カメラを通してみるといつもとはちがった世界が見える。そんな言葉を耳にしたことがあります。

いつもと変わらない日常の長浜も、ぜひ、カメラを持って歩いてみては。またちがった「長浜」の一面が見えるかもしれませんね。

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山内美和子
この記事を書いた人
山内美和子
4人の男の子をもち、日々育児に奮闘。 趣味の写真と料理とサーフィンをゆっくり出来る時が至福の時です。 カメラの魅力に惹かれ、長浜ローカルフォトメンバーとして活動中。「人生楽しまなきゃ損!」