奥伊吹山系の伏流水が豊かな木之本。幕末の嘉永5年(1852)創業のダイコウ醤油では地下15mの自宅井戸から汲み上げた豊富な水を使って醤油製造を行っています。
ダイコウ醤油のように製造のすべてを自蔵で行っているのはごくわずか。6代目の大杉憲輔さんは「ここ木之本の風土のもとで、自分で一から造ることこそが大事だと思っている」と話します。
店頭には濃口、薄口、たまり、だし醤油などずらり。「おすすめは香りの良い杉樽で三年間熟成させた濃口。二年熟成と比べて塩分のカドがとれ、濃厚なうまみと甘味を感じます。冷奴や刺し身など、ぜひそのままかけて」。煮炊きに使ってもコクが出るそうです。
「この40年で醤油の消費量が減少し、時代のニーズに合わせていく必要がある。醤油造りのベースは大事にしつつ、より手軽に手に取ってもらえるようなアレンジ品の開発など、日々試行います」と大杉さん。伝統を守りながら、時代に合わせた試みを続けていきます。
【こいくち醤油】
「あまいろ」「はいざくら」「ちぐさ」「くちなし」。濃口は種類が豊富で、味わいから想起されるイメージを、日本の伝統色になぞらえて命名しています。
ダイコウ醤油 http://www.daikou-shoyu.com/ 長浜市木之本町木之本1137 Tel : 0749-82-2012 営業時間 9:30~19:30 不定休
この記事を書いた人:居川美保(長浜ローカルフォト)