• 2019.2.27
  • 菅浦

湖岸に佇む集落の姿を望むレイクカヤック



湖岸に面した菅浦では、古来から湖と密接に関わりながらその暮らしを営んできました。昭和64年に至るまで山越え以外の陸路はなく「陸の孤島」だった集落ですが、現在は道路も整備され車でのアクセスも用意になっています。訪れた人は湖から続く「ハマ」「石垣」「ハマミチ」など菅浦特有の景観を見ながら当時の賑わいや暮らしに思いを馳せることができます。しかしそうした風景をもっと俯瞰的に、漁師のような視点で見ることのできる方法があります。それが今回ご紹介する「奥びわ湖を望む宿つづらお」が宿泊利用者向けに提供している体験プログラム「レイクカヤック」です。


このレイクカヤック体験はただ、ウォーターアクティビティを楽しむだけのプログラムはではなく地元インストラクターによるガイドがつき集落のことを含め様々なお話をしていただけます。もちろん初心者でも気軽に楽しめるよう目的地や時間などは当日に相談しながら決めるていきます。また、菅浦周辺は湾になっているため波風も穏やか。転覆の危険も少なく安心してカヤックに打ち込むことができます。


スタート地点は菅浦の集落に入る手前の湖岸の礫浜。ここでインストラクターの指示の下、救命胴衣の着用、利用の仕方、パドルの漕ぎ方など基本的なことをレクチャーしていただけます。また、カヤックはコンパクトで機敏に動き回れる1人乗艇と、少々の波があってもしっかりと安定感のある2人乗艇の2タイプ用意があり、初心者の方などより安心して体験したい方には2人乗艇がおすすめです。


水面に近い低い視点から広い湖面に漕ぎ出す瞬間は、重力から開放されたかのような開放感が体を包みます。慣れないうちは方向転換など少し苦労するかもしれませんが、漕いでいくうちに自ずと身体が感覚を覚えてくれます。そうした頃には気持ちに余裕も生まれ、水中を泳ぐ小鮎の群れを眺めたり、菅浦の集落を沖から眺めたりと湖の上にいるからこそ見ることのできる景色を楽しんでみてください。


中世にはほぼ現在に近い形だったという菅浦の町並み。湖上から俯瞰してみることで一層その姿が強調されます。暮らしの在り方が織りなした独特な景観にノスタルジックな旅情や懐かしさを感じるかもしれません。

問い合わせ:奥びわ湖を望む宿 つづらお
開催時期:6月〜9月(8月10日〜15日を除く)
申し込み:一週間前までにご予約ください。
料金:¥5,000(お一人様)
☎0749-89-0350
http://www.tsuzurao.com/

宇留野元徳
この記事を書いた人
宇留野元徳
生活の拠点をもって、その暮らしを包括する地域のために活動する人々に憧れ長浜へ移住。自分はその中でどういった生活を営みたいか試行錯誤中。生活を彩る道具としてのモノのあり方に興味があり、生活道具のお店を経営する。また、その傍らデザインの仕事をしながら生計を立てている。