• 2018.10.23
  • 菅浦

暮らしのタイムカプセル-菅浦郷土史料館-


四足門をくぐり、須賀神社へ続く参道。

その参道沿いにある地元の小さな郷土史料館。

「菅浦郷土史料館」から菅浦の暮らしを覗いてきました。

地元の人が出迎えてくれる資料館

「史料館のスタッフは合計6人で、1週間ごとに当番が回ってきます。

4人が選挙で選出され、その後2人を誘い、その年の史料館当番が決まります。

任期は1年で、前年選出された4人のうちの2人が退任し、誘い入れられた2人が翌年のスタッフになる仕組みです。」

と取材日に史料館のお当番をされていた小杉完さん。

地元の人が来館者対応するので、20~30年前のことや漁のこと聞くと優しく話してくれます。

かけがえない「当たり前だったもの」

展示内容は大きく分けて2つ。

菅浦で収集した民具などの民俗資料と古文書や絵図などの歴史資料が展示されています。

「展示されている道具や写真は、懐かしいものもあります。昔は当たり前のように使っていました」と小杉さん。

 

昭和41年に大浦と菅浦をつなぐ道路が整備され、車がよく通るようになってから、景観や暮らしも大きく変わったとのこと。

菅浦では漁業、稲作のほかにミカンやビワのような果樹栽培、タバコ、養蚕も行なわれていました。

その時々で当たり前に使われていたものが並び、当時の暮らしが見えてきます。

展示ケースに綺麗に並べられているのではなく、どんっと置かれている民具。

それは擦れて少し傷んでいたり、少し曲がっていたりします。

実際に使われてきた痕跡が見え、暮らしを支えてきたのでしょう。

一つ一つの道具から人の手の温かさが感じられ、使ったことがない人にも懐かしい印象を与えます。

昔の暮らしを伝えるものは外にも

史料館を出て、琵琶湖に向かって左側に立つ木。

「これはアブラギリと言って、この種から取れる油を売っていたよ」と小杉さん。

 

落ちていた種を拾ってみると、軽い。

左右に振ってみると、カラカラという音がしました。

見た目に反して外側の殻は固く、石で叩いてようやく割れるほどでした。

史料館の中に保存されているものだけでなく、外にも昔の暮らしの痕跡が自然に残っているところが菅浦らしいですね。

菅浦のタイムカプセルを開けてみませんか?

暮らしと共にあった民具は、見た人も懐かしく感じさせます。

菅浦郷土史料館は暮らしのタイムカプセル。

昔の暮らしを訪れた人に語りかけてくれます。

 

【菅浦郷土史料館】

住所:滋賀県長浜市西浅井町菅浦

開館日:日曜日 ※日曜日以外は要予約、12~3月は冬季のため休館。

開館時間:10~16時

協力金:大人(高校生以上)300円、小中学生100円

TEL:0749-82-5909(長浜観光協会北部事務所)

 

對馬佳菜子
この記事を書いた人
對馬佳菜子
長浜の仏像とどこか懐かしい村の景観、空気感に惚れ込んで、東京から滋賀県長浜市に移住。 神仏が日常生活に溶け混んでいて、祈る人、まつりが何百年と変わらず続いている長浜独自の観音文化を伝えていこうと模索中。 かけがえのない長浜の「日常」を伝えていきたいです。