• 2020.4.13
  • 長浜くらしノートストア

湖北の発酵文化が伝える鯖のなれずし


 

かつての長浜の家庭では、自家製の鯖のなれずし「鯖ずし」がハレの日のごちそうに登場しました。
なれずしといえば滋賀では鮒ずしのイメージがありますが、江戸時代に福井から水揚げされた魚が滋賀を通って京に運ばれていたことから、鯖も用いられてきたようです。

 

山あいにある小さな集落の小さな食料雑貨店・小林商店は、知る人ぞ知る鯖ずしの製造販売店。原料は塩鯖と米と塩。開いた塩鯖に炊いたご飯を詰め、桶に漬け込み、1ヶ月半ほどで食べ頃に。
元来は冬期の食べ物でしたが、小林商店では通年製造。気温の上昇が発酵に影響を与えるため、温度管理にもっとも気を使います。

 

店主の小林丈夫さんが始めた製造は、現在息子の丈弘さんが担います。和食の料理人だった丈弘さんが改良を加えて完成させた味は、あっさりしつつも、鮮魚とはまた異なるうまみが凝縮されています。全国から注文が舞い込み、発酵具合を見守るためにも休む間がないと笑う丈弘さん。小さな集落の小さなお店から、この地の食文化が広まっていきます。

 


【さば寿司】

発酵によりうまみがぎっしり。「飯(いい)」の状態になったご飯も美味。

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小林商店
長浜市木之本町川合194-2 Tel :0749-82-3558
営業時間 午前9時ごろ~午後6時ごろ 不定休
矢島絢子
この記事を書いた人
矢島絢子
学生時代+数年を県外で過ごしUターン。冬の寒さをどうやって乗り切るかが毎年の課題。自転車に乗って肌寒さを感じなくなったときが湖北の本当の春到来だと信じています。そんな自転車の速度で感じるような、長浜の空気を伝えて行きます。