夏のおいしい魚といえば「ビワマス」。おいしいと一言でかたづけるのがもったいない。地元にとっては大切な極上の魚なのです。
その理由を紹介しましょう。
ビワマスは、琵琶湖にしか住んでいない固有種です。琵琶湖は400万年の歴史を持つ世界有数の古代湖です。その琵琶湖に昔から封じ込まれて、そこに棲む魚やエビを食べて生きてきたビワマスには歴史のロマンを感じます。
ビワマスの最大の魅力はその「極上の旨み」にあります。何も言わずに刺身を食べてみてください。上品な甘味を持った旨みが口のなかで広がります。食べた人は皆「おいしい!えっこれ川魚なの?全然クセがない!」と言います。特に獲った後、1日寝かせて食べるのが旨みやトロみが出ておいしいです。
また、ビワマスは刺身で食べるのが普通ですが、実は焼き魚にしてもおいしいのです。塩のみで丸焼きにシンプルに食べるのがいいです。
ビワマスは、9月以降になると産卵に入るため、脂が落ちてきます。この身を麹で発酵させて食べるのが長浜にしかない伝統料理の「コケラズシ」です。ビワマスの旨みと麹の甘味が合わさり、お子さんでも食べやすい発酵食です。
そんな絶品のビワマスですが、獲るのが難しい。ビワマス漁は、通常カーテン状の網で獲る「刺し網漁」と船で竿により釣る「ひき縄釣り漁」がありますが、敏感なビワマスは、琵琶湖の透明度が低いときや天気・気圧の具合によってはエサを食べないと言います。また、月夜の晩は全くといっていいほど獲れないといいます。
最近は養殖技術が開発され、長浜の若さあふれる養殖人たちがおいしいビワマスを飼育しようとチャレンジしています。
また、「ビワマスを愉しむwith長浜」と題してビワマスの長浜ブランド化に向けて、漁師、生産者、流通業者、旅館・飲食業者などが、古から琵琶湖に棲むビワマスを大切にするとともに地域活性化の起爆剤としてビワマスを活かしています。
だから、おいしいと一言ではかたづけられない「淡海の至極の宝石」なのです。
ビワマス料理
ビワマスについて 「ビワマスを愉しむwith長浜」ホームページ
執筆:川瀬