秋が深まってサザンカが咲き、町家の庭では冬支度が始まった。
マツにはじまり、ツツジ、イチイ、など、
大きさに合わせ、枝振りを見極め、おなじみの庭師さんが丁寧で無駄のないしごとをした後、
庭木たちはまるで梱包された荷物のように行儀よく並んで見える。
石の上に踏ん張る竹の軸
その軸や枝をぎゅっと掴んで締め上げる縄
縄の中にすっかり身を任せる庭木たち
先週、伊吹山がうっすら雪化粧とのニュースがあった。
今年は例年に増して柿が豊作だったから雪が多いぞ、とか。
去年は去年でカメムシが多いから雪が多いなんて言いながらそうでもなかった、とか。
まだ呑気な雪予報が飛び交っているものの、
これから暮れに向けて慌ただしくなろうかというところ。
急な雪にうろたえることのないように
忙しい家人にいらぬ心配を掛けぬように
まだ紅葉も終わらぬうちに、ものわかりのいい庭木たちが一足早く息を潜めた姿には「愛嬌」がある。
去年は「立派」に見えた雪吊りが今年はそんなふうに見えた。