【採取道具】軍手、小型ナイフ
【調理道具】まな板、包丁、コンロ、七輪、土鍋、てんぷら鍋、ボール、ざる、さいばし
【材料】ふきのとう、味噌、みりん、酒、卵、薄力粉、サラダ油
湖北のどんよりと長い冬がまだ明けきらぬ3月上旬の早朝。
某所。
時折小雨のまじる空の下
早春の味覚 ふきのとうを探す一行。
程よい湿り気と日差しを好むというふきのとう、
川辺や土手のわりかし明るい場所にあるはずですが …
正直なところ意識して探すのは子供のころ以来。
「どんな感じだったかな」などと考えながら足元を注視していると、
ありました!
落ち葉の下から芽吹き出した草花に交じってひょっこりと顔を覗かせています。
ふっくらとした蕾の、独特のかたちと鮮やかな若菜色がけっこう目立ちます。
これと判って見ればまさに今立っている足元だけで他にもちらほらと。
気をつけて歩かないとうっかり踏んでしまうところでした。
さっそく収穫。
そっと手を添えて、膨らみのすぐ下のくびれたあたりにナイフを入れます。
刃物の持ち合わせが無くても大丈夫、手で簡単にもぎ取れます。
しかし、くれぐれも根こそぎ引っこ抜くようなことのないようにしましょう。
地下茎を痛めてしまうと次の芽吹きが止まってしまいます。
小さすぎず、開きすぎず、ちょうどこのくらいが食べ頃だと思います。
いい香り。
もう早く食べたい、と早る気持ちを抑えます。
雰囲気がわかってくると次々に見つかりました。
子供でも簡単に収穫の楽しみを味わえます。
刃物の使い方を覚えるにも良い機会ですね。
足元の良いところを選んで、よいしょっと。
食べる分だけ、採るのも大事なマナー。
小さすぎるものは残して、根を傷めないように気をつけておけばまた次々と出てきてくれます。
秘密の穴場を見つけておけば、この時期は散歩がてらに何度も収穫できますね。
さて、ここからはいよいよクッキング。
今日は定番のてんぷらとふきみそを作ってみます。
てんぷらは独特の苦味、
みそはできたての焼きおにぎりに塗って香ばしく、、
さっそく取り掛かりましょう!
まずは採ってきたふきのとうを流水でよく洗いながら、傷んだ葉を取り除きます。
続いてふきみその下ごしらえにとりかかります。
いろんな方法がありますが、今回のアウトドアクッキングではふきのとう独特の香りを保ちながら、手早さを重視します。
はじめに包丁で細かくきざみ、すぐ水にさらしてアク抜きをします。
( 30 〜 60分)
ボールに張った水はすぐに茶色く染まりました。
次にみりんを加えてペースト状にしたみそを弱火で炒めていきます。
分量の目安は、みそ160gに対してみりんが50ml
このほかに砂糖や塩でお好みの味に調整するのもいいようです。
よく練りあがったら先ほど細かく刻んだふきのとう、しっかり水気を切って投入します。
隠し味に新酒を少々入れてみました。
しんなりするまでさっと炒めたら、ふきみそはこれでもう出来上がり。
同時にご飯を炊きますが、実はその前に。
全行程を待ちきれぬと、フライング。
採れたてをサッと素焼きでいただきましょう!
喉に染み入るほろ苦さと香ばしさの加わった香りが鼻に抜けていきます。
いかがでしょう、この誘惑の図。
一同たまらずにお酒を手にとりました。
午前中から屋外でチビチビと、贅沢な休日のひとときですね。
土地の方の手作りのお米を、七輪と土鍋でじっくりと炊きます。
炊きたてを握り飯に。
炭火でこんがりと焼いていきます。
しっかり焼いてからひっくり返すと、ご飯粒が網に付きにくくきれいに焼けます。
もろもろの準備ができてきたところで最後にてんぷらを揚げましょう。
鍋に張った油をよく温めて、
薄く衣をつけてサッと揚げます。
みずみずしくて美味しそう!
そしてなんと、
こちらは飛び入りでご提供いただいた自然薯です。
擦ったものをそのまま箸でとって素揚げにしました。
出来上がりの図
最後にこんがりと焼きあがったおにぎりにふきみそを塗って少しだけ炙りましょう。
温かい味噌汁を添えて、
さらに飛び入りのおすそ分けがもう一品、自然薯のお好み焼きです。
これも美味しそうですねぇ。
それではいただきましょう!
一足早い身近な春の味覚を存分に楽しむことができました。
みなさんもぜひおためしください!
執筆:竹村光雄