ちらほらと紅葉も始まり、野山を歩けばあちこちに秋の味覚を見つけられる楽しい季節になりました。
「美味しく食べられる、らしい」と知ってはいるけど一度も試してみたことのなかった「むかご」と、
「大好物」ではあるけどめんどくさいというイメージが先行して自分で採ることのなかった「銀杏」を、
旬の新米を使って炊き込み御飯を作ってみようと思います。
まずはむかご
昨年から畑で山芋を作っていて、この時期にはいかにも食べ応えのありそうな立派なむかごが沢山付いているのを知っていました。
食べてみたいとは思いつつ、でもいったいどうやって食べれば良いのかがわからずに結局試せぬまま放ってしまった昨年。
思えば子供の頃にもそっくりな記憶がありました。
野遊びをしていているとけっこうどこにでもあったむかご。
山芋のつるなのにジャガイモみたいな形の実が、しかも土に埋まらずに成ってるという怪しさ。。
手のひらいっぱいに採ってはみるものの、ガリッとひとくちかじってみると硬さと青臭さにびっくりして、ペペッと唾を吐いては全部放ってしまう。そんなことが一度や二度ではなかったような。
一緒に遊んでいた友達の顔までくっきりと思い出されます。
2年越しの今年、はっきりと「収穫」の気分で適量を採りました。
夢中になって手脚を伸ばしていると、採ったそばからコロコロと転がってしまうので要注意です。
続いて銀杏を。
お借りしている畑の入り口に沢山落ちています。
ただ落ちているだけなら匂いも何もありませんが、、、
ムニッと実を剥いで種を出そうとした途端に強力な匂い!
ビニール袋に手を入れて、取り出した種をつかむだけつかんだらクルッとそのまま裏返せば、嫌な匂いが手につきません。
なんて、思ったら大間違い。薄いビニール一枚くらいではまったく効果なしでした。
意を決して20粒ほどを収穫。
(余裕がなくなってしまい、このシーンは写真を撮れませんでした。)
いちばん難関かと思っていた殻の剥き方は驚くほど簡単!
封筒に入れて500Wの電子レンジに50秒ほどかけるだけ。
塩を振ってひとつまみしたところとても美味しく、このままビールとともにいただきたいほど。
むかごは皮のままよく洗い、これで下ごしらえは完了。
お米2合に対して、お醤油とお酒を大さじ1杯ずつ、昆布を一欠片入れました。
ちなみに僕はいつもこのタイミングで氷を数個入れます。
冷たい水から炊き上げたほうが美味しいような気がするのですが、実際の効果は不明。
さっそく炊いていきます。
七輪に炭を数個投入、まずはしっかりと強火をキープするためにうちわでパタパタと風を送ります。
土鍋を一度火にかけたら炊き上がるまでは蓋を開けない、というのが美味しくご飯を炊くコツです。
なので中の状態は目と耳で見極めていくのが大事です。
わずかにポコポコと音がしはじめたら沸騰が始まったサイン。
すぐに火力を落としましょう。
これも我流ですが、僕の場合は一旦鍋を下ろしたら火ばさみを使って、大きな炭は全部出してしまいます。
そしてもう一度鍋を戻したら今度は弱火で10分。
「弱火」といっても感覚がいろいろあるかと思いますが、七輪の中に1〜2cmくらいの真っ赤に燃える炭のかけらが底一面に転がっている、くらいで大丈夫だと思います。
もちろん、土鍋の形や大きさにもよりますね。
上手く炊けるようになるまでの失敗や試行錯誤も楽しいです。
絵面はほぼ同じですが、10分が経過。
鍋を火から下ろして、さらにもう10分蒸らせば完成です。
「うまくできたかな??」
という気持ちを抑えて、ここでも蓋をあけるのを我慢しましょう。
この間に途中で出した炭を消したり、七輪を雨のあたらない軒下に移動したり、
ササッと片付けをしておくと後が楽、ということを最近になって学んでいます。
<そんなこんなで10分経過>
それではいよいよ、開けます!
湯気とともにとても良い香り!!
ささっと混ぜて、、
むかごも銀杏も良い感じです◎
器に盛っていただきましょう!
ホクホクとしたむかごと、モチモチした銀杏の食感が楽しい新感覚の炊き込み御飯です。
どちらの香りも程よく主張しあって、お箸がすすみます。
この時期のきのこや栗なんかと合わせて炊くのも良さそうですねぇ。
涼しくなってきたので、肉や魚をスモークしておかずに添えてもよく合いそうです。
ぜひみなさんも身近な秋の味覚を楽しんでみてください!
執筆:竹村光雄