• 2018.2.6 長浜の人
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ジビエを食べに! Smoke&Delica  DonDog編


「ソーセージってほんとはこんな味だったんだ!」
Don Dog(ドンドッグ)のホットドッグを食べた人は、新鮮な驚きに包まれると思う。

ハーブの香りと力強いお肉感、ほどよい塩気。
ケチャップやマスタードは自由にトッピングできるけれど、ソーセージのうまみのみで十分堪能できてしまう。

スーパーで買う袋入りのソーセージと違うのは、添加物の有無であり、工業製品か自家製か、だろう。
余計なものが加えられていない手づくりは、こういう味なのかと知る。

 

 

 

ドンドッグは長浜では珍しいホットドッグをメインにしたお店で、2017年にオープンした。
店主の浅尾将大(あさおまさひろ)さんは、カウンター越しにいつもはじけるような笑顔で迎えてくれる。
1人で切り盛りし、ソーセージを仕込むのももちろん浅尾さんだ。

 

笑顔と共に目を引くのががっちりとした体格。いかにもスポーツをしてきた人という感じだ。
アメフトの選手として、キャプテンとして、中・高・大学、実業団でプレーしてきた。
足の故障で一線を退き、新たな道を料理の世界に見出した。
京阪神の店で腕を磨き、Uターンし現在に至る。

 

 

 

「気軽に食べられるフードということでホットドッグだったんですが、ソーセージづくりは奥が深いですね」

ソーセージをはじめ、ハムやパテなど、肉からつくる加工品全般をフランス語でシャルキュトリという。
その歴史はギリシャ時代にまでさかのぼり、塩漬けや乾燥、燻製など、肉の保存性を高める手段として発達してきた。
もちろんジビエを使った加工品もある。
フランスだけではなくヨーロッパの食文化を語るうえでなくてはならない。

それ故の浅尾さんの言葉だ。

 

 

奥が深い分、どっぷりはまり込んでもいく。
浅尾さんと話していると、さまざまなタイプの肉加工品づくりに夢中なのがよく伝わってくるし、とても楽しそうだ。
ジビエを使っての加工品づくりもそのひとつ。

 

飲食店仲間を通じて、白川芳雄さんら猟師と知り合い、有害鳥獣の駆除や活用に取り組むNPOにも所属している。

「ふだんは豚のスネ肉でソーセージを作っていますが、猪肉でソーセージを作ったり、鹿肉の赤ワイン煮込みを挟んだサンドイッチを期間限定メニューとして登場させたりすることもあります。地元のジビエでこういうことができるのは、山間部がある長浜ならではの食のかたちですよね」

 

 

とはいっても、まだまだ鹿や猪の肉に抵抗をもつ人は少なくない。
「加工の仕方や味つけを工夫し、地元の一食材として身近に感じてもらう入り口をつくるのが、自分の役割です」

鹿肉の赤ワイン煮込みをトッピングにしたサンドイッチ

 

今回の暮らしノートの企画に併せて仕込んでもらったのが、猪肉のフライッシュケーゼ。
ドイツの伝統的な型焼きソーセージのことで、ミンチ肉の弾力のなかにスパイスとして混ぜ込んだ粒山椒がアクセントになっている。
これを食パンで挟んでボリュームたっぷりのサンドイッチに。

ドイツの焼ソーセージである「フライシュケーゼ」。この写真は鹿肉で仕込んだもの

 

 

カウンターを挟んで、浅尾さんとおしゃべりしながらかぶりつくのがおすすめ。
ソーセージやハムのこと、アメフトのこと……いろんな話題に花が咲きそうだ。

 


 

 

ジビエメニュー登場日
2月12日(月)~17日(土)
猪肉のフライッシュケーゼのサンドイッチ(750円)

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Smoke&Delica DonDog

長浜市室町444-1 ボーンフリー長浜店併設
TEL.080-9160-1417
11時30分〜20時(LO19時30分)
木曜日は14時30分LO、15時CLOSE
定休日/火曜日 

facebook
https://www.facebook.com/DonDog2017/

矢島絢子
この記事を書いた人
矢島絢子
学生時代+数年を県外で過ごしUターン。冬の寒さをどうやって乗り切るかが毎年の課題。自転車に乗って肌寒さを感じなくなったときが湖北の本当の春到来だと信じています。そんな自転車の速度で感じるような、長浜の空気を伝えて行きます。