長浜市のなかでもっとも北の方、ちょうど琵琶湖のてっぺんのあたりに菅浦という集落があります。
山々と琵琶湖に挟まれた隙間のような場所に60軒程度の家々が寄せ集まっています。コンビニなんてありません。
かつて他の地域に行くには、山を越えるか琵琶湖を船で渡るかしかないことから「陸の孤島」と呼ばれ、
文筆家の白洲正子は「隠れ里」と表現しました。
それでもここに住む人たちは1000年以上に渡って集落を維持してきました。
自分たちの暮らしは自分たちで守ることができるよう、団結し、決まりを設け、なりわいを工夫してきました。
平成26年には重要文化的景観「菅浦の湖岸集落」として選定され、
集落に伝わる「菅浦文書」は国宝に指定(平成30年)されました。
集落の営みの蓄積が、いかに尊い価値をもつものかを伝えています。